『本格中華』を召し上がれ!

当施設を運営している法人内には
特別養護老人ホームが、他に3施設あります。

そのうちの1つ、横浜市緑区にある
『しょうじゅの里三保』で働く調理師長は
中華料理の特Aライセンスを持つ、まさに『中華の鉄人』。

その調理師長が、不定期ではありますが
当施設の利用者様達に、その腕をふるってくれています。

回鍋肉や海老マヨなど、定番料理だけでなく、
海鮮五目豆腐など、メニューの名前を聞いただけでも
お腹がすいてきそうな、美味しそうな料理の登場に
献立表を見るのも楽しみになってきました。

折角なので、調理風景を見せてもらおうと
調理場にお邪魔すると、素敵な笑顔で迎えてくれました。


この日のメニューは「ジャージャー麺」。
大きな鍋で、麺をゆでているところを「パチリ」。

ところで、中国発祥の麺と言えば、
ジャージャー麺の他に、「担担麺」がありますが、
ジャージャー麺と担担麺の違いをご存知でしょうか。

まず、日本でジャージャー麺と呼ばれるものは、
本場では炸醤麺(ジャージアンミエン)と呼ばれ、
中国の北部の家庭料理です。
豚のひき肉と細かく切ったタケノコ、
シイタケなどを炒めて作った「炸醤」と呼ばれる肉味噌を、
茹でた麺の上に乗せたものを指します。
日本人向けに、甘めでピリ辛の味付けに改良がされており、
発祥の地である本場中国のジャージャー麺は塩辛いそうです。

担担麺は、中国四川省発祥の辛みを利かせた挽肉や
ザーサイの細切りなどをのせた麺料理を
日本流にアレンジしていると言われています。

ジャージャー麺が野菜のトッピングで味を付けているのに対して、
担々麺は『麻辣』、つまり辛さを大切にしていることが
違いとされています。

本格ジャージャー麺がそれぞれのユニットに届けられ、
ユニットスタッフが盛り付けていきます。
ユニット内には、肉味噌の美味しい匂いが漂い、
それに導かれたように、入居者様がスタッフの元へ。

「今日のメニューはとっておきですよ~!」
麺の上にたっぷりと肉味噌をのせて、
入居者様のそれぞれの席にお届けしました。


「ジャージャー麺は、肉味噌を麺にしっかりからめてから
食べるのが基本ルールだそうです」


入居者様の反応は…?
「美味しいねぇ! なんだかいつもと違うよ?」
「これは箸が止まらないね!!」

皆様のお皿はあっという間に空になっていました。

スタッフ曰く
「最近、入居者様の舌が肥えちゃったのか、
三保の調理師長さんの料理の時じゃないと
『今日のはフツーだね』って言われるようになっちゃって…」

美味しすぎる中華料理を楽しんでもらえるのは良かったのですが、
定番メニューへの評価が、ちょっとだけ困ったことに
なりつつあるようです。