ユニット内の音楽会は大盛況

当施設が所属する法人が運営している施設の1つに
「しょうじゅの里三保」があります。

同じ横浜市内にある特養ということで、
例えば三保で開催するイベントで使いたいから、と
当施設にあるステージやマイクスタンドを貸し出したり、
中華料理の鉄人である三保の調理師長が
当施設でその腕をふるったり、互いに協力し合うこともしばしば。

ある日、三保の施設内で実施されている取り組みの1つで、
入居者様から大変好評をいただいている『イベント』を
当施設でも開催していただくことになりました。

そのイベントとは『小さな音楽会』。
ユニット内で開催される、とても素敵な音楽イベントです。
ちなみに、この『小さな音楽会』の取り組みについて、
「音健アワード2018」の音楽レク実証部門で
優秀賞を受賞しました。

早速、あるユニット内でご挨拶。
左がこの『小さな音楽会』の専門スタッフのKさん。
右に立つのが、三保の作業療法士Hさんです。

お手製の歌集を、集まった入居者様達に配り、
その中から好きな歌やお気に入りの童謡などを選んでもらいます。

最初は「どんなイベントなんだろう…?」と、
ちょっと戸惑い気味だった入居者様達でしたが、
Hさんの軽快なトークで場が和み、
Kさんの見事な演奏と歌声に、
あっと言う間に皆様の顔に笑顔が広がりました。


「次は何を唄いましょうか。
何でもいいですよ~。気になるもの、ありますか?」

Hさんの声掛けに、最初は遠慮しがちだった入居者様達も
「高原列車が行く、って歌が、昔から好きだったの」
「お祭りの時期だし、何かそういう感じの曲はどうかな」
と、リクエストされるように。

歌によっては、身振り手振りをつけて、
皆で体を大きく動かして唄う場面もありました。


Kさんの持つ楽譜の横には
その曲にまつわる写真や資料も常備されていました。

例えば、「青い山脈」のリクエストがあった時、
写真にあるポスターを見せて、
入居者様達の『思い出』を呼び起こしてもらいます。

懐かしい映像や写真を見て思い出を語り合うことを
機能訓練では「回想法」と言い、
長く続けることで、脳を活性化し情緒を安定させ、
ひいては認知症の進行予防やうつ状態の改善につながる
可能性があるといわれています。

『唄う』という行為が、様々な健康効果をもたらし、
更に、認知症予防・介護予防も望めますが、
それに更に「回想法」をプラスすることで
入居者様の脳にどんどん刺激を与えていくのが、
この『小さな音楽会』というわけです。


当施設の機能訓練指導員も、この場に同席し、
歌詞カードをめくるお手伝いをしたり、
一緒に唄ったり、と、大活躍。

時には看護スタッフもサポートに入り、
多職種連携で、この音楽会を盛り上げました。

『小さな音楽会』は、この日、
当施設の全部のフロアを周り、
多くの入居者様達に楽しんでいただくことができました。

今後も、月1回程度はお二人に来てもらって、
鶴見版「小さな音楽会」の開催ができれば、と考えています。